金峰町お田植踊り

今日は念願の金峰町田布施地区の「御田踊り」を調査しました。錫杖踊りは南さつま市ではここだけで見られます。

尾下上組の薙刀踊り(錫杖踊り)
杖の足元、地面を突く部分が脱穀具のサシとそっくりでした。
尾下上組の薙刀踊り(錫杖踊り)
池辺薙刀踊りの錫杖
 場所は尾下南方神社(おくだり・みなみかた神社)と紹介されることが多いですが、削り掛けの「マトイ」や杖にも「金峰神社」奉納踊りと書かれています。南方神社は金峰神社遙拝所と同じ境内にあるので、間違って紹介されることが多いのでしょう。踊りも、金峰神社遙拝所に向かって最初に踊り、次に隣の南方神社に奉納します。最近は、道の駅きんぽう木花館(このはな館)でも披露されます。
南方神社に薙刀踊りを奉納する大野上馬場集落の踊り子


高橋鎌踊り・薙刀踊りの模造刀
大野下馬場の薙刀踊り
塩屋堀の棒踊り
 出る順番はくじ引きで当日決まります。現在は7地区が奉納します。今年の順番は次のとおりでした。それぞれの地区に、二才組(ニセ。青年)と三才組(サンゼ。壮年)の二つの踊りがあります。いずれも棒踊り系の郷土芸能で、歌も「後ろ(オセロ)が山に前は大川(ダイカワ)」などで共通しています。

地区 二才組(ニセ。青年) 三才組(サンゼ。壮年)
池辺 鎌×薙刀 錫杖×竹笹
尾下上組 鎌×薙刀 錫杖・刀×竹笹・刀
大野上馬場 2種類あり。
①鎌踊り(鎌×薙刀)
②金山踊り(右手にシベをつけた錫杖、左手に刀)
薙刀踊り(左手に薙刀、右手に竹笹か杖か錫杖)
高橋 鎌踊り(鎌×薙刀) 薙刀踊り(左手に薙刀、右手に竹笹か杖)
尾下下組 鎌×薙刀 鎌×薙刀
大野下馬場 鎌踊り(鎌×薙刀) 刀踊り(左手に薙刀、右手に竹笹か杖か錫杖)
塩屋堀 棒踊り(棒×棒)  -

感心したのは、尾下下組は、境内の「舞踊記念碑」にも踊りをささげていたこと。この記念碑は、尾下棒踊りが昭和9年全国郷土舞踊民謡大会で優勝したのを記念したもの。
●調査地:鹿児島県南さつま市金峰町尾下 金峰神社遙拝所(南方神社境内)
●調査日:2012年4月29日(元は旧5月5日。現在は毎年4月29日)午前10時からくじ引き
→写真帳「お田植踊り