平山太鼓踊り

平山太鼓踊りは、2年に一度、10月に、平山南方神社(南九州市川辺町)に奉納される。2015年10月25日、私は初めて拝見した。

平山太鼓踊り写真

中入りは鉦が四人(カシタガネ2人・ヒラガネ2人)で、小太鼓や鼓は入らない。その外側に幼児から小学生児童による小太鼓、さらに外側に大人による大太鼓(ワッデコ)で円陣を組む。中入りは紺絣に花笠姿で、左手に鉦・右手に撞木を持つ。小太鼓・大太鼓は浴衣にシベ笠を被る。矢旗はない。太鼓は、肩から腹の前につるし、腰の位置に固定してあり、両側からバチで打つ。バチは小太鼓・大太鼓とも、全員、ワラ製ササラ状のものを用いる。勝目地区の太鼓踊りでも「ワラフリ」というササラ状のものをもつ踊り子が見られるが(太鼓はつけず、ワラを振って踊る先導役)、平山では全員同形のものを持ち、それを太鼓を叩くバチとして用いているのが、特徴である。

平山太鼓踊りのバチ写真

(2020.7.26記 / 『鹿児島民具32号 - 川辺特集号』コラム記事)