下山田西区豊年太鼓踊り

今年も秋晴れのもと、勝目の太鼓踊りが奉納されました。私は寝坊してしまい、午前7時30分からの竹屋神社での奉納には間に合いませんでした。勝目校区公民館で日程を確認し、午後から各集落での披露の模様を拝見しました。
トラックで踊り子が到着
下山田西区豊年太鼓踊り
下山田西区豊年太鼓踊り
ナカイリ(入り鼓・入り鉦)
下山田西区豊年太鼓踊り
○名称:「下山田西区豊年太鼓踊」。保存会の皆さんによれば - 共通語では「ほうねん(さい)おどり」になるのだろうが、ここでは「ホゼオドイ」と通称している - とのこと。
○踊り子:ワキ(大太鼓)は今年は32人。ナカイリは、イリコ(小太鼓)2名・カネ2名。中入りが内円に、ワキが外円に、二重の円陣を組んで踊る。
・ワキ:肩から垂直に大太鼓を吊るし、両手に持った藁製のバチ(長さ25cm、太さ3.5cm。先端にシベ付。)で打つ。白鉢巻、浴衣、足袋に草履姿。
・ナカイリ:イリコは、カシタイリコ(頭入り鼓)・ヒライリコ(平入り鼓)の2名で、いずれも花笠、振袖姿。肩から吊るした鼓を両側から叩く。カネは、カシタガネ・ヒラガネの2名で、こちらも花笠、振袖姿。左手に水平に鉦を持ち、右手の撞木で打つ。カシタガネのほうが音程が高い。
○ウタイテ:歌手をウタイテと呼び、踊り子の円陣の外から歌う。青色の揃いの法被姿。人数は10名ほど。

上ノ口公民館に到着した踊り子
ヒラ(大太鼓)
下山田西区豊年太鼓踊り
下山田西区豊年太鼓踊り

大太鼓の桴(藁製)
この西区を最後に、ようやく勝目4踊りをすべて調査することができました。
勝目の太鼓踊りの特徴として、ウタイテが10名もいることが挙げられます。マイクを通さずとも、唄がよく聞こえます。円陣の内側にいるほうが古風な気もしますが、では今の姿は変容後のものなのかどうか、これから検討が必要です。
踊りのほうは、稲作の姿を再現しているように思えるしぐさが、要素の含まれていることに気づきました。鍬を振り下ろす様子などです。改めて、ビデオ編集の時に考えてみたいと思います。
桴の使い方は、歌詞がある踊りでは、加世田や大浦と同じように、こするだけで大きくは叩かないという特徴を確認できました。
これらを総合的にみるとどうなるか、他の地域との比較の中で引き続き検討していきたいと思いました。

●調査地:鹿児島県南九州市川辺町勝目地区 竹屋神社奉納後 勝目地区内各集落で披露
●日時:2014年10月19日(撮影は午後3時ごろから本門農村公園、上ノ口公民館)
●解説:勝目の太鼓踊り - 鹿児島祭りの森