2012年10月7日

十五夜綱練りから見えた死と再生のモチーフ

綱練り(綱綯い)が予定されていた十五夜前日は、折からの台風。坊津では、すべての習俗が中止になりました。幸い十五夜当日、1日遅れで上之坊の綱練りを見ることができました。この綱練りを見て気付いたのは、夜に行われる「お月さん作り」という習俗にそっくりだということです。
上之坊の綱練りは、茅で作った細縄7本を櫓にかけ、一本の大綱に綯っていきます。その際、細縄には各々3人が付いて、回転しながら、締めていきます。締め終わると、大綱をずり上げ、茅を継ぎ足し、再び綱練り。これを繰り返して、50メートルもの大綱を綯っていきました。
最後の綱練りでは、大綱に綯うに従ってぎゅっと締まっていきます。三人いた各細縄の綯い役は二人で足りるようになり、最後は一人で締めあげることになります。余った人は、まず片手を縄から離し、最後は両手とも縄を持てないようになります。その時に、勢い余って回転が続きます。隣の人と手をつなぎ、「ヤヤヤヤ、ヤヤヤヤ、ヤー、ヤー、ヤー、ヤー」の掛け声で回転。最後は「ハーレヤナー、ハーレヤナー、ヤットコセー」で綱から離れます。
上之坊の十五夜綱練り
実は、この最後の綱練り場面は、夜に行われる「お月さん作り」という習俗 とそっくりです。名称こそ「お月さん作り」となっていますが、これは「綱作り」を再現しているのではないでしょうか。

十五夜お月さん作り(上之坊)
十五夜お月さん作り - 鹿児島祭りの森

お月さん作りは、綱引きの後、十五夜綱の材料となった小綱をつなぎ合わせて輪を作り、満月を描くという習俗です。
お月さんの輪は、綱練り会場と同じ公民館の庭に作られます。それまで綱引きが行われていた下の坂道からは、チェーンソーで十五夜綱が切られる音が聞こえました。 以前はすべての習俗後、あるいは翌日に、綱を解体していたと思います。しかし、いずれにしても、綱引きの再開を願い「お月さんづくり」をしているのではないでしょうか。

綱練りを見ることで、
「お月さんづくり」が、満月を描くこと、綱練りを再現すること、二重の意味で「死と再生」ひいては不老不死、健康祈願を願った習俗

だと、考えられることに気づきました。

坊津の十五夜行事 - 鹿児島祭りの森

※今年撮影した十五夜行事
十五夜綱練り(上之坊)
十五夜踊り(鳥越シベ踊り)