南薩摩の水車カラクリ新たな伝承地確認

これまで14か所に水車カラクリがあったことが分っていましたが、南さつま市長屋校区(ながや)老神神社(おいかみ)の六月灯でも披露されていたことを、確認しました。
老神神社のカラクリ水車
残念ながら2010年から中断されています。武田中村集落の公民館長さんによれば、神社前のイマムランマエ(今村前)の用水路上にカラクリ舞台を作り、、写真の水車を動力として、舞台上で20センチほどの人形を回していたと言います。
武田上・武田下地区の氏神である老神神社の六月灯(7月20日)には、回り灯篭が伝承されています。2012年も氏子の集落から4基が献灯されていました。
老神神社の回り灯篭(出原集落献灯)
武田中村集落も、老神神社の氏子で、かつては青年団を中心に回り灯篭を献灯していました。しかし、戦後途絶え、成壮年部(むつみ会)で水車カラクリをするようになったと言います。高齢化・少子化が進む中、カラクリを伝承することが難しくなり、一昨年から中断。水車・舞台・飾り道具一式は、武田中村公民館にが保管されています。今日はそれを拝見しました。
水車の大きさは直径70センチ。六角形の舞台は、地上から高さが約2メートル、直径は105センチでした。これは回り灯篭を少し大きくした形状です。
武田中村の水車カラクリ舞台
武田中村の水車カラクリは戦後になってはじまったものですが、「他の地区のカラクリも、このように六月灯の出し物として発展してきたのではないか」、また、回り灯篭との構造の共通性も注目され、「回り灯篭から水車カラクリが発生したのではないか」とも考えさせられました。

いずれにしても、水車カラクリの貴重な伝承地として、復活を期待したいものです。

→写真集:老神神社の水車カラクリ・回り灯篭
→解説:祭礼の中の水車からくり - 鹿児島の民俗
→YouTube:六月灯の回り灯篭 - 鹿児島の夏祭り