加世田小湊太鼓踊り

加世田小湊中央の太鼓踊りを見てきました。寄木八幡神社の豊祭(秋祭り)で奉納される太鼓踊りです。
この踊りは、大浦町から伝わり、戦後一時途絶えていましたが、昭和59年に復活。今年は平太鼓24名、中打ち4名(うち一人は、初めて参加する小湊小学校1年生)、歌い手3名×2組でした。

 Webアルバム:加世田小湊太鼓踊り

小学生の中打ちの方は、1か月ぐらい練習に励んだそうです。小湊小学校の教頭先生も平太鼓で参加。地域ぐるみで伝統文化継承に取り組むよい事例だと思いました。小湊小学校では鎌ん手踊りの伝承にも貢献されているそうです。
今日の南さつま市は秋晴れで、お祭りだらけの一日でした。大坂相撲、坊ほぜどん、笠沙のマリンフェスタ。私は午後から笠沙に行ってみましたが、ドラゴンボートは午前中に終了。ブリつかみどりも大変な人垣で、チビの私には見えませんでした。来年はどこに行こうかな。

〔感じたこと〕
○中打ちの着物が白装束で、津貫など加世田の他地区と比べると、落ち着いている。
○歌詞や踊りは加世田南部・大浦町の太鼓踊りと類似している。
○大浦町から伝わったというが、そちらは盆踊り。小湊太鼓踊りは秋祭りの踊り。

〔考えたこと〕
○大浦太鼓踊りは、先祖供養の意味を持つ念仏踊りであるが、大浦町・津貫地区では、衣装に華やかさが出てきたのではないか。
○小湊太鼓踊りは時期は秋祭りになったものの、着物の点では、伝承が一時中断したからこそ、古い衣装を踏襲しているのかもしれない。
○しかしながら、花笠・太鼓・鉦など、採り物や被り物は、既成品を新しく購入し直したといい、花笠は造花である。
○古い伝承を残しながらも、一方で工夫をこらしていくという、郷土芸能の変容のメカニズムに触れた太鼓踊りであった。

●調査地:鹿児島県南さつま市加世田小湊中央集落 寄木八幡神社
●調査日:2011年9月16日 午前9時から(毎年9月第3日曜日)
踊り子は、寄木八幡神社→正信寺→小湊小学校→小湊漁協→中央公民館まで、一日中集落を回って踊ります。