鹿児島民具屋久島調査3日目(8月29日)は、南部へ移動です。台風がどうしても心配という人が3名帰路に。高速船のチケット変更に手間取り、私だけバスでの移動になりました。屋久島交通は、何度か乗ったことがありますが、種子島交通と対照的に、どんどん走っていく思い出があります。10年ほど前に乗った時は、降車ボタンを押しても行き過ぎてしまい、慌てて「降ります」と声をあげたこともありました。今回もテープのアナウンスはなく、運転手さんが次のバス停を知らせてくれました。さて調査ですが、まずは如竹廟で県指定史跡「泊如竹の墓」にお参りし、粟穂神社、本仏寺、如竹堀、盛久神社古石塔群などを見て回りました。如竹墓・盛久神社古石塔ともに五輪塔がありましたが、見慣れているものよりどうもバランスが悪く感じました。それもそのはず、何れの五輪塔も江戸初期以前のもので、古風だからこそ端正に形になっていないことに気付きました。
→写真:「屋久島安房・春牧の史跡と民俗」
夜は「屋久島環境文化研修センター」に合宿。平内棒踊り保存会の皆さんと交流しました。歌者がおらず、今はテープで踊っているとのこと。伝来や意義について、下野会長から解説がありました。
最終日は、「平内民具倉庫」で実測調査を行いました。旧平内公民館を利用した民具収蔵庫です。1985年頃から旧屋久町地区から集められた民具が納められています。館内はよく整理されており、民具カードも整備中です。私の担当は運搬具でしたので、背負い梯子や鞍、天秤棒などを調査しました。
●鹿児島民具学会「屋久島の民具共同調査」
2011年8月27日から30日まで、鹿児島県熊毛郡屋久島町各集落で実施。
調査団9名(調査団長下野敏見会長)
調査成果は、会誌「鹿児島民具」24号(2012年3月発行予定)に掲載。
